デジタルネイティブ世代がWEB制作会社に入社してみた|その1

社会人1年目。

入社して、半年が経った頃、私は理想と現実とのギャップに戸惑っていました。

どんなことを考え、悩んでいたかについて、お話し致します。


「WEB制作を仕事にする」ということについて、入社前と入社後では、大きな違いがありました。


入社して一番驚いたのが、WEBサイトを1つ立ち上げるのに(またはリニューアルを行うのに)「こんなにも大変なものか」と思いました。

ざっくり、以下のようなことがそう思った理由です。


1)未知の工程「要件定義」

ディレクターとして入社して初めて『要件定義』という工程を知りました。

なぜ要件定義という工程が必要なのか?


そもそも『要件定義』とは?

要件定義とは、システムやソフトウェアの開発において、実装すべき機能や満たすべき性能などのを明確にしていく作業のこと。いわゆる上流工程の一部で、実際の開発・実装作業を始める前に行う作業の一つである。

要件定義では、利用者がそのシステムなどで何がしたいのかを元に、それを実現するために実装しなければならない機能や、達成しなければならない性能などを開発者が検討して明確にしていく。一般的にこの段階では「何が」必要なのかを定義するに留め、それを「どのように」設計・実装すべきかは後の工程で検討される。


まず、入社前に制作していたサイトは、多くても30ページ以下の規模でした。

頑張れば一人でも対応できる規模だと思います。


ですが、私が入社した企業同様に大規模なサイト制作中心となると、ほとんどが1案件につき1000ページ以上の制作はあたりまえ。

また現在、弊社では「分業制」ということもあり、プロジェクトメンバーとして関わる人の数も多いです。


分業制とは、役職ごとに役割が決まっていることを言います。

メンバーが多ければ多いほど必然的にリスクが増えます。


プロジェクトメンバー(プロデューサー・デザイナー・コーダー)、そして一番重要なお客さんとの認識の違いを避けるために「うちは、このような仕様(つくり)でここからここまでを作りますよー」ということをクライアントに宣言し、定義をする。

この要件定義という工程が必須であることを学びました。


2)「作る」と「ディレクションする」のスキルは違う

入社後、すぐに担当した某案件で私が感じたことです。

私自身、HTMLとCSSを使用する簡易的なWEBサイトであれば自分で手を動かし、制作することが出来ますが、デザイナーさんやコーダーさんといった第三者を通してサイトを制作するということは、こんなにも難しいことかと思いました。


専門学生時代にとあるIT企業でWEBデザイナーとしてアルバイトをしていました。

当時、一緒に働いていたアルバイトの大学生から、自分がロジックをたてて考えたデザインに対し指摘され、カッとした経験がありました。

(今考えるとプロとして失格ですね。笑)

そんなこともあり、入社してプロのデザイナーさんにましては、年下で新卒のペーペーに「こうした方が良いじゃないんですか?」もしくは、「こうして下さい。」と言うことに対して相手のプロのデザイナーさんに嫌われるのではないかと、ビクビクしていました。


当時の先輩ディレクターから教えて頂いたことなのですが、ディレクターがデザインディレクションを行う際は、デザイナー視点のデザインの指摘ではなく、ディレクター視点でのディレションを行うということを学びました。

つまり、デザインのディテール(色やピクセル数、パーツなど)の指摘ではなくて、ユーザビリティーや更新性、全体的な構成の観点から意見を言わなくてはいけません。


彼・彼女達は、デザインのプロであり、プライドとこだわり、そして思想があります。

デザインの詳細の表現(色やピクセル数、パーツなど)は、彼・彼女達にお任せすることで敬意へ繋がるのではないでしょうか。

ただ、そのデザインによってクライアントが伝えたいことが伝わらない見え方になっていたり、エンドユーザに誤った情報を伝えてしまうデザインになっているのであれば、ディレクターとして正しい方へ導かなければいけません。

3)勘違い

恥ずかしながら私は、働くまで「全ての課題はデザインで解決できる」と思っていました。

デザインに興味があったうえに学生時代、デザインに浸ってたこともあり、より一層その思いが強かったのでしょう。


なぜアップルが世界中で話題になるのか、また商品が売れるのか、それは「デザインかっこいいから」だと思っていました。


WEBサイトにおいても同じことだと思っていました。

デザインがダサいからこのWEBでは、集客が満足に出来ないのだ。などのように。


ですが、実際にはWEB制作を行う上でさまざまなアプローチの手段があり、デザインだけでは課題解決ができない場合がほとんどです。

案件にもよりますがデザインはクライアントやユーザの課題解決をするためのほんの一部とも言えます。

他にも瞬間瞬間でギャップを感じたことや悩みなどはたくさんありますが、特に印象に残っていることを本日、ご紹介致しました。

入社して1年が経った際には、新たな課題や気付きがありました。

次回は、そちらをご紹介致します。

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